上下駅そばに広々ドッグラン併設
ワンちゃんも人もハッピーになれる場所

Happy Dog(ハッピードッグ)

上下駅近くにあるHappy Dog(ハッピードッグ)は、トリミングサロンに広々としたドッグランが併設されています。休憩室兼カフェではランチやドリンクも提供。ワンちゃんだけでなく、人だけでの利用もできます。「ワンちゃんも人も、みんながハッピーでありますように」と願う西山稔大さんと和子さん夫妻が営む、犬と犬、犬と人、そして人と人と触れ合える優しい場所です。


「もっと自由に楽しめる場に」 府中市内初のドッグランをオープン

700平方メートルもあるドッグランには、広々とした平地にこんもりとした小さな丘、大きなケヤキの木が木陰を作る。パラソル付きのベンチがあちこちに置かれ、どこでどのように過ごしてもいい。ワンちゃんは駆け回ってもいいし、飼い主さんと木陰で休んでもいい。ドッグランに慣れているワンちゃんなら、飼い主さんは休憩室から走り回るワンちゃんを眺めて過ごすこともできる。基本料金は1匹800円。時間制限は設けていない。

思い切り走り回れるドッグラン。起伏もあって運動しがいがありそう

「これまでは自宅でトリミングをしてきたのですが、中にはトリミングが苦手なワンちゃんもいて。トリミングサロンが緊張する場所になるのはさみしい。もっと自由に動けたり遊べたりして帰ってもらえる場所をつくりたいとずっと思っていたんです」というトリマーの和子さん。そんな思いを知っていた夫の稔大さんは会社勤めをしながらサロンの経営を手伝い、2023年5月に二人で念願のドッグラン併設のサロンを移転オープンさせた。

室内で飼うワンちゃんが増えて、コロナ禍で外出の機会が減ってしまったワンちゃんは多い。「ほかのワンちゃんに慣れていないので、ドッグランに連れていくのが不安」「人に吠えてしまうから、誰もいない場所を散歩している」と悩む声も聞こえる。
「まずは、お電話で様子を聞かせてください。ほかのワンちゃんが少ない時間や曜日をお伝えしますので、私たちスタッフに慣れることから始めてみてください」と稔大さん。「ここなら、吠えずに遊ぶことができたって飼い主さんがうれしそうでした」と和子さん。温かく受け入れてくれるここなら、ハッピーなドッグランデビューができそうだ。

和子さんは2011年、上下町内の自宅でトリミングサロンを始めた。そのころから通い続けてくれる、10年以上のお付き合いのお客様が多い。「ワンちゃんが若いときから年をとるまで、ずっと見させてもらっています。飼い主さんの次によく触れ合う立場にあるかも」と和子さん。

飼い主さんの次に、ワンちゃんの健康を気遣う存在として

「ワンちゃんの負担にならないように」と広く気持ちの良い空間でトリミング

トリミングでは、ワンちゃんを触り「最近の調子はどうですか」と飼い主さんと話しながら、今日の体の調子や前回の来店時との違いを観察する。ワンちゃんが少し疲れている様子なら、お手入れの時間を短くしてはと提案する。「後ろ脚が細くなってきましたね。年を取って来たんですねぇ」「食事がとれないなら、こちらのご飯をためしてみます?」など、飼い主の不安や相談にこたえる。ワンちゃんのしこりがだんだん大きくなっていることに気づいた和子さんが、「早めに病院にいってみて」と促し、病気の早期発見にもつながったこともあるそうだ。和子さんのような、まるで「かかりつけ医」のような存在がいると心強い。
「ワンちゃんに負担が少ないものを使いたい」という思いから、100%オーガニックのせっけんや、毛や皮膚の健康を保つハーブエッセンスパックも取り扱っている。トリミングの料金は、犬種や毛量、年齢によって変わる。予約時や受付時に教えてくれる。

「飼い主さんもハッピーに」とカフェを開始

トリミングサロンや休憩室がある建物では、「飼い主さんにもゆっくりしてもらいたい」とカフェを始めた。平日は主にドリンクの提供で、コーヒーやカフェオレなどの定番メニューはもちろん、いちごみるく、チョコレートフラッペ、夏にはかき氷などを用意する。人気は、イチゴソーダやブルーなハワイのレモンソーダなどカラフルなソーダ類。土日にはランチがあり、「飽きないように」と1カ月に2回内容を変える。
ワンちゃんと一緒でなくても、カフェだけでの利用もできる。テイクアウトも可能だ。

カフェのみの利用も可能

美味しいカフェを楽しみながら、ドッグランを一望できる

ワンちゃん用品やおやつもそろえる。和子さんのリサーチやお客さんのリクエストをもとに、大阪や東京から取り寄せ、買い付けにいくこともある。「うちにくるワンちゃんや飼い主さんの姿を想像しながら選んでいます」と、オーガニックのものなどワンちゃんの体に優しい商品が並ぶ。

ワンちゃんをモチーフにした雑貨や地元の手作りの雑貨もある。「わざわざうちに来てくださるからには、Happy Dogじゃないと出合えない、そんなものをそろえたいと思っています」と和子さんの説明を聞きながら、どれにしようかなと選ぶのが楽しい。

体にやさしいおやつ、季節のおすすめ商品をチェックする人が多い

飼っていても、いなくても集まれる場所に

ドッグランを併設して以来、Happy Dogに集まる人の範囲が広がった。府中、福山、神辺、尾道、県外からもやってくる。ワンちゃんを介して、20年ぶりの再会を果たした人もいたそうだ。2、3か月に1回はドッグランの敷地を開放して、地域の人が参加できるイベントを開催する。キッチンカーや屋台を呼んで食べ物を充実させ、ワークショップなども実施。夏まつりと題した、そうめん流しや子どもたちが楽しめる縁日は大好評だった。

「ワンちゃんと人が交流する機会をもっとつくりたい。そして、災害時にはペットの避難先としても使ってほしい」と話す稔大さんは、移転を機会にペット災害危機管理士Ⓡの資格を取得し、Happy Dogを避難場所として登録した。Happy Dogには運動スペースも、水も食糧も、ペットの体と心の健康を守るために必要なものと環境がそろっている。「災害時にはここを無料開放して受け入れたいんです」。稔大さんはペット救助の資格も取得した。

「上下町のお祭りの日には出入り自由にして、うちでワンちゃんを遊ばせて、ワンちゃんと祭りに出かけて、またドッグランで遊んでもらったり。ワンちゃんと一緒だと、これまで目にとまらなかったことに気づくそうです。ワンちゃんに、上下町の新たな魅力を教えてもらっています」と振り返る稔大さん。「ワンちゃんを飼えない人が、お散歩を体験させてもらって楽しそうだったよね」と和子さん。
稔大さんに「ワンちゃんのことがもともとお好きだったのですか?」と聞くと、「実はワンちゃんにはほえられるタイプでした笑。僕が変ったのか、それともワンちゃんが慣れてきてくれたのかも」と笑う。

ハッピーな時間を過ごしたい、ワンちゃんに幸せな時間を過ごしてほしい。そんな思いが心に生まれたら、Happy Dogへ。ここでの時間が楽しくてたまらない様子のお二人の笑顔にも癒される。