地元農家の価値あるお米と想い、ここにあり。
本当に美味しい、良いものだけを届ける。
食卓に美味しいお米があると、笑顔になれます。このおいしいお米を、誰がどんなふうに作っているのでしょう? その答えを知っているのが「槇岡肥料店」。肥料や農薬、お米の販売をしています。新米の季節、社長の槇岡亨さんに、「本当に美味しい、良いもの」が食卓に届くまでのお話を聞いてきました。
誰がどうやって作ったかが分かる、安心のお米をリーズナブルに
槇岡肥料店は1,000軒以上の得意先農家に対して、稲の種の手配から、田植前の施肥設計・除草剤の使用方法・使用時期のご相談、また、注文頂いた肥料・農薬の配達、生育状況に応じた田んぼの指導を行い、お米ができるまでサポートする。収穫したお米は、自社で銘柄等級検査・買取を行い、農家さん、消費者さん、どちらにも寄り添った安心・安全なサポートをしている。得意先農家は地元上下町をはじめとする府中市、神石高原町、庄原市、三次市、世羅郡、東広島など県下全域だ。
9月過ぎ、同店の店頭は賑やかだ。農家が新お米を持ち込むと、同店スタッフにより等級を決める検査が始まる。1等級、2等級、3等級、規格外の4種類で格付けされ。等級が高いほど高評価となる。
仕入れたお米を食味計で計測し、食味の高いお米を同店で小売りする。農家から直接仕入れているため、仲介手数料が発生しない。見た目がよく食味も高いお米を、リーズナブルに提供できる。そのうわさは口コミで広がり、地元だけでなく福山、尾道からも同店にお米を買いに来る。
同店では毎年、独自で食味コンクールを実施。令和5年度で17回目となる。新米を持ち寄ってもらい食味検査を行い、高得点を記録した農家に対して表彰式をしてきた。農家のやりがいにもつながっている。
見た目もよくて味もいい「つきあかり」、農家に寄り添い品種も提案
現在のおすすめは「つきあかり」。
新潟のお米で、コシヒカリに比べてお米粒が大きい。ご飯にすると食べ応えがあり、甘味がある。見た目はつやがあり、感動するほど真っ白。時間がたっても色やにおいが変わりにくく、新鮮さが長続きする。お米が売れなくなったコロナ禍、外に売りに出かけた先でもコシヒカリを上回る人気だった。つきあかりに手ごたえを感じた槇岡社長は中国四国農政局に働きかけ、広島県の産地品種銘柄に認可されることになった。
見た目がよく美味しいだけでなく、コシヒカリよりも倒れにくいのが特徴。コシヒカリに比べて買い取り額が少し安くても、収量を1.2倍にすれば利益が上がるなど、農家に寄り添いながら半歩前を提案する。
お米を買う消費者の気持ちにも寄り添う。クレームがあれば素直に受け入れ、農家に正直に伝える。「農家さんが傷つくこともあると思いますが、それでも正直に伝えます。農家さんの将来につながるはずだから」と槇岡社長。「私たちにとって農家さんも消費者もお客様。二方向のお客様に笑顔になっていただくには、私たちが中立で公正な判断をしないといけない。どっちからも見られている、ピシッとしないといけん」と気を引き締める。
安心安全なお米を届けるために、やるべきことを農家と一緒に考える
同店の始まりは1948年。そのころは、農家が肥料や農薬を買う場所、お米の卸先はほぼ決まっていた。「選択肢があった方が農家のためになるし、より美味しいお米が消費者のもとに届くのではないか」と気づいた創業者の槇岡社長の祖父は会社勤めをやめ、農家向けに肥料や農薬を販売する肥料店を始めた。
そもそも、農家がどこで肥料や農薬を買い、できたお米をどこに卸すかは農家の自由だ。農家はお米をより高く買い取ってほしい、肥料や農薬はできるだけ安く買いたい。その気持ちを理解しつつ、同店としても利益をだして社員を守らなければいけない。農薬や肥料の価格設定には毎年頭を悩ませている。
農薬や肥料、お米の買い取り価格に関係なく、「槇岡にしか卸さない」という農家も多い。その理由は、「同店は田んぼをようみてくれる(とても気にかけてくれる)」から。田植えから1カ月たったころ、同店のスタッフが田んぼを訪ねる。長靴を履いて田んぼに入り、稲の生育状況を見て、今後の肥料や農薬の設計を修正する。
「肥料は、農作物をのびのびと上質に食味良く育てるために必要なもの。農薬は、農作物を健全に育てるために必要なもの。農薬がないと残念ながら収量が落ちます。農薬は必要とされたから生まれてきたもの、適切に使えば力になってくれます」と槇岡社長。ただ大きく育てるのではなく、健康で安心安全なお米を届けるためには何をすべきかを農家と一緒に考える。
農家や消費者の想いを載せて、笑顔を届ける
得意先農家のほとんどは兼業農家だ。平日はどこかで働き、休日の土日に農作業をする。せっかくのGWは田植えで忙しい。休日返上の農作業を、ほとんどの人が赤字承知でやっている。しんどい思いを支えるのは、「先祖からお米をつくってきた土地があるから」「作らないと田んぼが荒れて病害虫が発生し、周りの人に迷惑をかけてしまう」という思いだ。
そんな農家の気持ちを知ってほしいと、看板を掲げた。「地元農家の価値ある米と想いがここにあります」。この言葉には、「お客様の想いを察し、気配りができる店でありたい」という槇岡社長の想いが込められている。
槇岡肥料店は得意先農家と消費者の信頼の真ん中に立ち、今年も「本当に美味しい・良いもの」を届ける。そのお米が、食卓に笑顔を運んでくれる。
あなたの食卓にも、槇岡肥料店のお米をぜひ。