「少しでも楽になってほしい」
漢方相談で未来へ希望、最後まで元気に
明治18年(1885年)創業の「やなぶ養神堂薬局」は、漢方を中心とした考え方で子宝や痛みをはじめ「どうにもならない病」や「心の病」の相談にも力を入れています。相談に応じる柳父研一さんは、薬剤師であり漢方をアドバイスできる国際中医専門員であり、上級心理カウンセラー、子宝カウンセラー。「希望をもって元気で生活できるお手伝いができたらうれしいです」とのこと。柳父さんのアドバイスを聞きに、奥へ進んでみましょう。
生活を振り返り、不調の原因に気づく時間
昔は奥で醤油屋をやっていて、手前で薬局をしていたんですよ」。古民家を改装したという店内は奥へと長い。中庭の手間の一角で取材のため問診票を見せていただくうち、気がつくと柳父さんに相談をしていた。「地面に埋まるような重だるさがあります。特に頭痛がひどくて。左目の奥が痛くなるんです」と訴えると、「こちらへ」と血流測定器に案内された。体重、身長、年齢を入力。血流を測定することで、血液の流れはよいか、量は足りているかなど血液の今の状態が分かるそうだ。
「全体的には悪くはないけど、左右バランスが悪いですね。血流が不安定、血に元気がない感じが見えます」。測定結果を見ながら、さらに問診が続く。手足の冷え、体のコリ、不快な症状、食欲、お通じ、汗について、あるなしだけでなく量や頻度なども細かく聞き取ってくれる。さらに「お肌の感じをみたところ、胃腸の力が弱いのでは」と心配もしてくれる。「運動はされていますか?」と聞かれて「毎日、犬の散歩にいきます」と張り切って答えたところ、「それは犬のペースなので、ご自分の運動になっているかどうか…。できれば自分のペースで足を動かす運動をしてください」とのこと。自分の運動不足に気づく。
柳父さんの声掛けにこたえているうちに、そういえば寝つきが悪いことを思い出し、「最近、忙しかったな」など生活を振り返ることができた。家族の生活は見えても、自分のことは見えていないことにハッとした。不調の原因と思われることや改善すべきことが、次第にはっきりとしてきた。
漢方の考え方で体と心の悩みを改善
「最近はしんどい、楽になりたいと来られる方が多いんです。そういう方には、ちゃんと眠れているかをお聞きます。眠れていないというのは、体が発している悲鳴です。原因が何かがあるはず。差しつかえがなければ、気に病むことはないかお聞きしていきます」。上級心理カウンセラーとして、その人の悩みに近づいていく。
柳父さんが心理カウンセラーの資格を取得したきっかけは、ご自身が苦しんだ経験があったから。何に対しても不安になり、寝ていてもしんどい。体の震えや呼吸が苦しくなり、お客様の相談にもこたえられない辛い日々を過ごした。「なんとか治したいと藁にもすがる思いで、メンタル指導について学びました。同じような事で悩んでらっしゃる方の気持がよく分かると思います」
さらに、国際中医専門員(中医学漢方の専門資格)として、その人の体質に合っていて、その人に必要な漢方薬を選んでくれる。「陰陽五行でみると、例えば肝臓や胆のうは怒りの臓器なのですごくお酒を飲む人は怒りやすくなります。胃腸など消化系が元気がない人は考え込みやすく、弱っていると甘いものが欲しくなる傾向があります。そういった視点を取り入れて、お悩みを改善するアドバイスをしています」と話す。
元気な血液が増えると、心と体の元気度も上がる
柳父さんが特に力を入れているのが、女性の血液を元気にして内側から美肌や美髪を目指すアドバイスだ。「女性は血液をすごく使うので補っておかないと。元気な血液が増えてくることで、生理痛、冷え性、子宝、うつ的症状、パニック症状などにいい傾向がみられた例がたくさんあります」。一人一人の体質に合った漢方を選び、サプリメントも組み合わせ、予算を考えながら提案してくれる。悩みを解決するためのさまざまな選択肢を教えてくれる。相談だけも可能(2,000円)。相談すると、希望者には四柱推命占いで性格や未来の運気も見てくれる。
購入後も柳父さんとのつながりは続く。「漢方は買っておわりじゃない。飲むことで体に変化が起きます。副作用ではない変化なんですが、おなかが張ったりすると私には合わないとの漢方をやめられることがあります。説明できたらそうはならないと思うから」。相談者とLINEでつながって、「こんな時どうしたらいいですか?」という質問や不安に細やかにこたえる。
「最後まで元気!」を応援したい
やなぶ養神堂薬局の理念を見せてもらった。「人は皆、心も体も健康になる力を頂いております。その健康になる力を高めるようにお手伝いさせて頂きます」とある。込めた思いを聞くと、「本当にしんどいと、まずは楽になりたいという思いが強くて目標を見失ってしまうことがあります。だから、しんどさをなくしたその先を目指してほしいと思っています」。
悩みがある状態を「マイナス」だとすると、それを「ゼロ」にするだけではなく、さらに「プラス」にしたいとのこと。だから柳父さんは、「元気になったら何をしたいですか?」「どうなりたいですか?」と問いかけを続ける。苦しさを経験した柳父さんだからこそ、悩む人に寄り添い続ける。「最後まで元気でいることを応援したいんです。最後まで元気が理想ですよね。その状態をキープするのに、漢方の考え方がお役に立つんじゃないかと思います」
柳父さんに相談したい時はなるべく予約を。まずは、血流測定で体と心の元気度をはかってみてはいかが。